平成22年7月16日現在、4分咲き。
花は、花茎の下の方から順々に花をつけ、今月いっぱいご覧いただける予定です。
ギンケンソウって何ですか?
ハワイの貴重な高山植物で自生地でも数が少なくなっており、絶滅危惧種に指定されています。
キク科に属し葉は緑ですが、被っている毛が銀色なので銀一色に見えます。
また、和名は英名の‘silver sword(銀の剣)’に因んでいます。なお、一度花が咲くと種をつけて枯れてしまい、一生を終えます。
本当に珍しいの?
日本で栽培展示している植物園は咲くやこの花館のみです。
夏の暑さに弱く、水分は好きなのに多湿には弱いという矛盾した性質をもち、とても栽培が難しい高山植物です。
当館の開花株は1993年に種まきをしたもので、17年かかってようやく咲きました。自生地では約20~30年くらいで開花します。
なお、1990年の大阪花博時にはハワイ庭園にて現地より持ち込まれた花つきのギンケンソウが展示され、話題になりました。
高山植物室
自然では、どこにあるの?
ハワイ島のマウナケア山(4,205m)、とマウイ島のハレアカラ山(3,055m)の高地だけに見られます。高山帯で雨が少ない地域に生え、根は地中深くまで伸びていき乾燥に耐えます。
ちょっと、専門的なお話。
実はアメリカ本土からハワイにやってきたギンケンソウ!
ハワイ島は43万年前、マウイ島は75~132万年前と比較的新しくできた島です。
ギンケンソウの祖先はメキシコのバハカリフォルニアのアデノタムス(Adenothams)と考えられ、
それがカリフォルニアのマディア(Madia)になり、
おそらく鳥がハワイ島に運んだのでは?と言われています。
それが、ギンケソウ属 、ドゥバウティア属、ウィルケシア属と高地、低地、湿地などの異なった環境で多様化していきました。
ドゥバウティア・メンシェシイは、ギンケンソウの傍らに自生していますが、
当館でもギンケンソウの傍らにてご覧いただけます。
ギンケンソウの開花によせて
(岩槻 那男 元 日本植物園協会会長・現 人と自然の博物館館長)
生命は個体のものでなく、親から子へと世代を超えて引き継がれることによって、永遠に生き続けます。
毎年種子を撒いて花をさかせていたのでは、そのことを忘れてしまいがちですが、花を咲かせずに眠っているように見えても生命は脈々と生き続けていることが見えたということです。
生命の根源の意味を何年も経てからではなくては咲かない花を見る機会にもう一度確認したいものです。
生命の原点を見つめることは花博の究極の目的だったはずです。
そういう話題を作られた「咲くやこの花館」の成功に拍手を送ります。(平成18年7月)