入鹿〈いるか〉▲
白い砂地に生え、動物のように動きそう
メキシコのバハ・カリフォルニアにて
メキシコを訪ねると、地域ごとの自然環境の違い、そして植物の豊富さに驚きます。たとえば、標高2200mの首都メキシコシティーから低地へ向かうと、カエンボクやジャカランダなど熱帯植物の栽培される世界にはいります。また、逆に標高の高い地域をめざすとコスモスや宿根性のサルビアなどが野生で目につきます。標高5000mを越える山もあり、高山植物の世界に続きます。一方乾燥地ではサボテンやアガベ(リュウゼツラン)など、興味深い植物の世界となります。
▲紫禁城〈しきんじょう〉
高さ3mにもなる大形種
バハ・カリフォルニアにて
■変化に富むサボテン
元来サボテンは北・南アメリカに分布するサボテン科植物(例外的にアフリカにはリプサリスが分布)をさします。サボテン科は比較的大家族で、柱状・球形など合わせて230ほどの属をもち、園芸種をいれると3000種類を越えると考えられてます。現在でも新種が少なからず見つかります。生育地は海岸沿いから標高3500m付近まで分布、また非常に雨の少ないところから熱帯雨林にいたるまで幅広く多様な環境条件に適応しています。これはそれぞれの土地で生き残れる柔軟な遺伝子を保有しているのでしょう。
鯱頭〈しゃちがしら〉▲
高さ2mにもなる 。アメリカ、メキシコに分布
■サボテンも昔は木だった
サボテンはいきなりサボテンとして登場したのではないと考えられています。しかも化石としての発見例がなく、その成り立ちには多くの謎があります。恐らくは地球が氷河期を迎えたあたりで、水分が両極に集まり、中緯度付近で雨が少なくなったのでしょう。乾燥に強い多肉質の植物が葉からの水分の蒸発を防ぐために刺に変え、からだ全体に葉緑素をもった柱サボテンができあがったのでしょう。さらに乾燥がひどくなると周りの木もなくなり、強い刺を出し、日光から身を守り、動物の食害を避けられる球状のサボテンが登場したと考えられます。また、植物体の3分の2を土中に隠してしまう種類<例えば兜(かぶと)>や、虫や動物に食べられないように毒をもつ種類まで登場しました。
▲ティオティワカンのピラミッドの
岩の隙間に生える野生のバーベナ
■サボテンは夜に育つ
サボテンは一般の植物とは違い、夜間に二酸化炭素を体内に取りこみ、気孔を閉じたまま早朝に光合成をするCAM(カム)植物です。そこで栽培する場合、夏は夜に水を与えます。
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▲クエルナバカの民家の庭を彩るポインセチア、
ポインセチアはメキシコ原産の熱帯植物のひとつ |